「リビング・トゥゲザー・ロンリネス」の帰趨 (ダイヤモンド・オンラインより引用)

夫婦関係が破綻しても同じ屋根の下に暮らす 「リビング・トゥゲザー・ロンリネス」の悲劇 ~孤独死、同居の孤独…日本は世界の反面教師? エリック・クリネンバーグ ニューヨーク大学社会学部教授に聞く|World Voiceプレミアム|ダイヤモンド・オンライン

――あなたが新刊のなかで指摘した「リビング・トゥゲザー・ロンリネス(同居による寂しさ)」とは具体的にどういうことか。

私は本の執筆のために約300人の独居者にインタビューしたが最も衝撃を受けたのは、多くの人が人生のなかで最も寂しいと感じるのは(夫婦)関係が破たんした人といっしょに住むことと答えていることだ。自分と合わない人と結婚生活を続けるほど寂しいことはない。だから米国では離婚が多いのである。

――日本では夫婦関係が破たんしても独り暮らしの寂しさや孤独死の不安を考えて離婚しない人もいるようだが。

多くの人が孤独死を恐れるというのは理解できる。でも、自分と合わない人、関係が破たんした人と結婚生活を続けるというのは大変なことである。
男性にしてみれば40代で離婚の危機を乗り切れば70代の高齢になって独居の寂しさを感じなくて済むと考えるかもしれないが、女性はそうはいかない。女性の平均寿命が男性よりかなり長いことを考えれば、妻は結婚生活を全うしても夫が先に亡くなり、最終的に独り暮らしをして亡くなることになる。
それなら嫌な相手と結婚生活を続ける意味はない。実際、結婚生活を終わらせる(離婚を切り出す)のは圧倒的に男性より女性のほうが多いが、それは結婚生活を続けても高齢になってから社会支援などの面であまり得るものはないと感じるからかもしれない。


この問題は今後の人類の共通課題となり、また最大の課題となっていく。結局人間の幸福観を追求していくと、最終的にこの問題に行き当たる。つまり我々が本当の幸福を手に入れようとすれば、「共にいたい人」、「永遠の伴侶」という問題を避けて通ることができない。これを解決できるコミュニティと国家が本当の意味で世界を凌駕することになるはずだ。それは人類にとって、聖書の創世記が記録した「男女の相克史」を元返すための宿命といえるだろう。