新書「生物と無生物のあいだ」

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生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

  • 作者: 福岡 伸一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/05/18
  • メディア: 新書



先週図書館から借りてきた福岡伸一教授の「生物と無生物のあいだ」。
以前本屋でざっくり立ち読みした時に買うか買わないかかなり迷った。スリルと知的好奇心に満ちた文体に再び身体を駆け抜ける電撃を感じる。
生物学をかじった人にはぜひお薦めの一冊だ。
【読後の感想】
最終章はある意味当然のような、しかし確かに心を揺さぶる結論で締めくくられる。
「私たちは遺伝子をひとつ失ったマウスに何事も起こらなかったことに落胆するのではなく、何事も起こらなかったことに驚愕すべきなのである。動的な平衡がもつ、やわらかな適応力となめらかな復元力の大きさにこそ感嘆すべきなのだ。結局、私たちが明らかにできたことは、声明を機械的に、操作的に扱うことの不可能性だったのである。」
さらにエピローグでは、著者の幼少時代の自然体験と生命のダイナミズムとの邂逅、そして無常なる時代の移り変わりにも揺るがない宝石にも似た瑞々しい追憶が綴られている。翻って自分の場合も、小学生時代に過ごした田舎での自然体験はいまだに輝きを失わない思い出であり、心の奥底で静かに漂う生命のぬくもりがしばし心を和ませてくれる。このような体験を持つ機会の少ない都会の子供達の不運な境遇に心が傷む日々である。

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